トイレ掃除しても、2、3日経つとピンク色の汚れが目に付くことがあると思います。簡単に落ちるものの、すぐに再発生するのはなぜなのでしょうか。この汚れは水垢やカビではありません。メチロバクテリウム、またはロドトルラと呼ばれる細菌が繁殖した汚れです。水環境を好み洗剤や乾燥に強いので、きれいに掃除しても再繁殖してしまいやすいのです。ピンク色の汚れをきれいにする掃除方法と予防法をまとめました。
トイレや洗面所の水まわりでよく見るヌルッとしたピンク色の汚れは、「メチロバクテリウム」という細菌が繁殖したもの。メチロバクテリウムはカビではないので、カビ取り剤は効果がありません。なおかつ、乾燥にも強く洗剤にも強いという、まるで雑草のようなたくましさを持っている菌なので、掃除をしても1週間もしないうちに発生したり、入浴後に浴室乾燥機を回しても菌自体を死滅させることは不可能です。
メチロバクテリウムを死滅させるには、専用の洗剤を使うのが一番、効果的。ドラッグストアやホームセンターでも浴室用洗剤と書かれているものがあるので、それを使えばOKです。市販の洗剤を購入するのが手間だという人は、大さじ1杯の重曹を200mlのお湯に溶かしてスプレーボトルに入れて、代用することもできます。
初めに、洗剤をかけて5分程度、放置しておきます。その後、ブラシなどでこすったら洗い流しておしまいです。
メチロバクテリウムは、水気が多い場所に繁殖する細菌で、トイレ以外だと、浴室の床やシャンプーボトルの底など、菌の栄養分が蓄積しやすい場所に発生します。ですので、こまめに掃除をしていればメチロバクテリウムが発生することは少なく、長期間、掃除をせずに放っておくのが発生の大きな要因となります。
またピンク色の汚れには、お風呂でもよく見られる「ロドトルラ」という酵母菌が原因のこともあります。ロドトルラ菌自体は人体に悪影響を及ぼすことはほとんどありませんが、ロドトルラ菌を餌にカビが増殖する原因ともなるので注意しましょう。
ロドトルラは、洗剤や重曹を使って除去できる点でメチロバクテリウムによく似ていますが、洗剤に対する耐性が強いため、どちらかというと重曹を使った方が効果がある点で異なります。
重曹をお湯に混ぜてスプレーボトルに入れたらロドトルラめがけて噴射させましょう。その後、時間をおいてから水を流せば完了です。ただし、ロドトルラは、一度、繁殖が始まってしまうと絶滅させることが難しく、少しでも残っていたら猛スピードで汚れが広がり、瞬く間にピンク色の汚れが復活してしまいます。ですので、掃除をし終わった後に、消毒用エタノールをまいて殺菌消毒しておくのがおすすめ。これによって万が一、ロドトルラが残っていても、繁殖するスピードを抑えることができます。
ロドトルラは、繁殖したまま放っておくと、どんどん繁殖し、最終的には擦るだけでは落ちない頑固な汚れになってしまいます。なるべく早めに掃除をするように心がけましょう。
ロドトルラは酵母菌で、メチロバクテリウムと同様に水分や湿気が多い場所に生息しやすいのが特徴。トイレ内にある水分や汚れなどを餌にして繁殖を行い、ピンク色の汚れを作り出します。他の菌に比べて繁殖速度が早いという性質もあるので注意が必要です。トイレ以外では、浴室でも繁殖しやすいという点もメチロバクテリウムによく似ています。
便器の水が溜まっている部分に、ピンク色の汚れが目立って気になっていました。酵母による汚れらしいですが、ちょうど水位線の位置にぐるりとリング状の汚れが付着しています。ゴシゴシこすらずに簡単に落とせる方法をネットで調べたところ、市販の洗剤でおすすめのものがあるとのこと。ブラシでこすらなくても落ちるという情報を信じて塩素系の洗剤を準備。トイレのフチの裏側に直接液体をかけて、しばらくしてから水を流すと、ピンク色の汚れもすっきりと落ちました。