なぜ、トイレットペーパーでトイレつまりが起こってしまうのでしょうか?そもそもトイレットペーパーとは、トイレに流すことを前提に作られているもの。それが原因でトイレがつまってしまっては、トイレットペーパーを使う意味がありません。
ここでは、トイレの排水管にトイレットペーパーがつまってしまう原因、および、つまりを予防するための方法などについて詳しく解説します。当ページの内容を理解していれば、以後、トイレットペーパーによるつまりの可能性は大幅に減ることでしょう。
日本国内で作られているトイレットペーパーは、通常、水に流せる仕様で作られています。水に流せるということは、言い換えれば、水に溶けるということです。
通常、日本製のトイレットペーパーは、水に溶ける仕様で作られています。溶けるとは言っても、厳密には、氷が水に溶けていくようなイメージではありません。水と一緒に流れる程度にペーパーが細かくほぐれる、ということです。
細かくほぐれたペーパーが水に混じって分散すれば、水流の圧力により排水管を一気に通過することが可能。これが、トイレットペーパーがトイレに流されていく仕組みとなります。
水の中でこまかくほぐれるとは言え、その量があまりにも多く、かつ密度が高くなった場合、水流の圧力では流れないことがあります。
たとえば、川底にある砂は、やがて川の水流に押されて海へと運ばれます。ところが、土砂崩れ等によって大量の砂が一気に川に流れ込んでしまうと、川の水はせき止められます。同じ砂であるにも関わらず、状況の違いにより流れる場合と流れない場合とがある、ということです。トイレットペーパーがトイレにつまる理屈も、これと同じと考えてください。
トイレットペーパーがつまる代表的な原因として、以下の3つが挙げられます。
一度にたくさんのトイレットペーパーを流してしまうと、トイレがつまることがあります。トイレットペーパーをたくさん使用することが予想される場合には、数回に分けて、こまめに流すようにしましょう。
節水を目的に、大に対して小の水流を選んでいる方がいるようです。あるいは、同じく節水を目的に、タンクの中にペットボトルを入れているご家庭もあります。
いずれの場合も、大を流す水流としては圧力不足。流れなかったトイレットペーパーが徐々に蓄積し、ある日、つまりを生じさせることがあります。
大には大の水流を選ぶようにしてください。
後述しますが、シングルロールのトイレットペーパーよりも、ダブルロールのトイレットペーパーのほうが、水に流れにくい傾向があります。また、シャワートイレ向けのトイレットペーパーや、海外製のトイレットペーパーの中にも、水に流れにくいものもあります。
トイレットペーパーを選ぶときには、値段の高低にかかわらず、日本の「JIS規格」をクリアした商品を選ぶようにしてください。
市販されているトイレットペーパーには、シングルロールとダブルロールの2種類があります。近年では、三枚重ねとなったトリプルロールのトイレットペーパーも登場しました。
いずれのタイプのトイレットペーパーを使うかは、それぞれのご家庭の好みです。ただし、ダブルロールやトリプルロールを使用しているご家庭では、一度に使用する量に注意してください。なぜならば、シングルロールに比べて、ダブルやトリプルはトイレに詰まりやすい傾向があるからです。
シングルロールを使うときでとダブルロールを使うとき。それぞれの仕様に合わせて、1回に使う長さを調節しているでしょうか?
ダブルロールとは、文字通り2枚重ねのトイレットペーパーです。シングルロールと同じ長さを使用すれば、2倍の量のトイレットペーパーを使っていることになります。トリプルであれば3倍の量です。
ダブルやトリプルを使用しているご家庭では、トイレのつまりを予防するために、やや短めにペーパーをカットして使用したほうが良いでしょう。
シャワートイレ用のトイレットペーパーは、水に溶けにくいと言われています。また、海外製のトイレットペーパーの中には、水に溶けにくいタイプの商品もあります。
シャワートイレ用のトイレットペーパーは、シャワーの水滴を効率的に吸収することを目的に作られています。言い換えれば、厚手の仕様になっている、ということです。
もちろん、シャワートイレ用のトイレットペーパーが水に溶けないわけではありません。ただし、シングルのペーパーなどに比べると、水に流れにくい傾向があることは確か。シャワートイレ用のトイレットペーパーを使う場合には、一回での使用量に注意する必要があります。
海外には、トイレットペーパーを水に流す習慣がない国もあります。中国、韓国、台湾、東南アジアなど、私たち日本人に身近な国であっても、トイレットペーパーを流せる施設と流せない施設とがあります。
これら国々から輸入されるトイレットペーパーの中には、そもそも水に溶けないタイプのものも少なくありません。トイレに流せるペーパーかどうかを確認するためには、日本の「JIS規格」の有無を確認するようにしてください。
トイレットペーパーのつまりを予防するために、日頃から以下の4点を心がけるようにしましょう。
節水対策や海外製のトイレットペーパーの購入などにより、少しでも家計の節約をしたい気持ちは理解できます。しかしながら、もしそれらの行動が原因で水道業者のお世話になってしまっては、高額な費用がかかり本末転倒です。
トイレのつまりを予防することが家計の節約となる、という視点に改め、上記4点は確実に実行してきたいものです。